お茶の入れ方・取扱い

お茶の保存  -中国茶、紅茶の保存方法-

中国茶や紅茶の保存方法

 

 

・お茶の変化を抑える方法

お茶の香味を変化させる三大要素、それが温度、酸素、日光です。

これらを避けるために、市販のお茶は遮光性が高く、空気抜きをして密封した袋に入れて冷暗所にて保管します。

この前提は中国茶や紅茶においても同様です。

 

 

 

・変化で美味しくなる中国茶や紅茶

しかしながら、紅茶や中国茶などの酸化酵素を用いて造るお茶達の中には

その後の保管処理で熟成して香味が上昇するものもあるので、一概に緑茶と同じ

保存が良いのかと言えばそうでもない・・・。

中には黒茶のように経年での品質が激変(陳年と言ったりします)するものもあります。

日本茶世界では熟成を「後熟(こうじゅく)」と言います。

 

 

・茶師が勧める保存方法

ではどうしたらいいのか、世界中のお茶の生産を目指す茶師としての視点から意見で言いますと、

「緑茶に近いものほど日本茶のように厳重保管、黒茶に近いほどゆったり保管」

でどうでしょうか。

 

緑茶とは、お茶の種類でも紹介したように「酸化酵素を失活させたお茶」ですので、

変化させない香味に重きを置きます。ですから、なるべく変化を防ぐ方法をとりましょう。

反対に、黒茶は後発酵をして美味しくなるお茶ですので変化を望みます。

あまり気にせずに変化する香味を楽しんでください。

 

紅茶や烏龍茶などでも、発行の度合いによって変えるのはどうでしょう。

包種茶やダージリン1st等の発酵の浅いお茶は日本茶に準じて保管するのをお勧めします。

岩茶やアッサムなどは冷暗所においておけば大丈夫でしょうか。

 

 

 

・水だけは避けましょう

「後熟」の記事でも書きましたが、含水率の高いお茶は変化が激しくないます。

熟成を超えて劣化となってしまう場合が多いので湿気だけは避けた方が無難です。

なんだか味が悪くなってしまったな・・・と思った場合、大抵は吸湿による劣化です。

どうしても何とかしたい時は「再火(さいび)」に賭けるしかありません。

 

 

 

 

どんなお茶もどのように保存しても農産物である以上何かしらの変化が起き続けています。

その時その時の香味を楽しんでください。

 

 

 

 

参考文献

「茶大百科Ⅰ」 農文協 2008