まるものお茶辞典

お茶が出来るまで  -製造 その2-

お茶が出来るまで  -仕上げ再製造について-

 

 

 

・荒茶から仕上げ茶へ

生の葉を蒸して乾燥した荒茶は、「仕上げ再製(しあげさいせい)」という工程を経て

「仕上げ茶(しあげちゃ)」になります。

普段、お店に並んでいる商品は基本的には仕上げ茶。

この仕上げ再製を行う技師を「茶匠(ちゃしょう)」と呼びます。

 

 

 

・再製造の要は、 合組 と 火入れ

仕上げで行うのは、選別とブレンド、そして再乾燥の3つです。

 

選別はかつては「篩(ふるい)」と「箕(み)」だけを使い手で行っていましたが、

今では篩機や電気選別機、色彩選別機などの機械を使います。

編み目の大きさで荒茶を「本茶(ほんちゃ)」や「粉茶(こなちゃ)、「芽茶(めちゃ)」、「頭(あたま)」に分類します。

電気選別機や色彩選別機で「茎茶(くきちゃ)」を取り除きます。

 

色々な荒茶をブレンドして味の深みを出したり、品質の安定を図ることを

「合組(ごうぐみ)」 と言います。 (単に、ごう とだけ言ったりもします)

色々な産地の荒茶を混ぜたり、別の日取りの荒茶を加えたり、何千という組み合わせを使って

最終的に造りたいお茶の香味を生み出します。

合組で良いお茶を生み出すためには鋭い目利きの技術が必要となります。

 

合組をして異物を選別したお茶を再度乾燥させることを

「火入れ(ひいれ)」 といいます。

火入れは荒茶製造の「蒸し」と同様に商品のお茶のキャラクターを決定づける重要な作業です。

葉に残る水分と共に青臭味を消し、アミノ酸と糖分を熱で変異させ甘い香りを生み出します。

お茶の様子を掴みながら目的の香味に導く最後にして最大の難関です。

 

 

 

・仕上ったお茶はすぐにパッケージに

完成したお茶はすぐに商品袋に梱包されます。

火入れをした仕上げ茶はその時点から変化を始めるので、売り出す直前に仕上げ再製をするのが基本です。

お茶の品質を低下する、温度、酸素、日光の三要素を避けるための専用袋を使います。

こうして、茶匠の手により販売店の店先に並んだお茶が皆さんの手元に届くのです。